A列、B列、四六判、菊判、ハトロン判、紙のサイズの由来と概要

A列、B列、四六判、菊判、ハトロン判、紙のサイズの由来と概要

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紙のサイズと言えばA4とかB5を思い浮かべる方が多いと思います。しかしJIS規格(日本工業規格)ではA列本判・B列本判・四六判・菊判・ハトロン判の5種類が定められています。
この記事ではそれぞれの違いや由来についてお話ししていきます。

  1. 紙の寸法
  2. A列本判
  3. B列本判
  4. 四六判
  5. 菊判
  6. ハトロン判

1. 紙の寸法(原紙のサイズ)

紙は製造される際に大きなロール状や大きなサイズで製造され、それを断裁することで普段使っているA4サイズやB5サイスになり流通します。この、初めに製造された状態の紙を「原紙」といい、大きさはJIS規格により5種類に定められています。

2. A列本判

日本国内でよくく使われているA列は、日本の規格ではなくドイツの工業規格が元になっているます。ドイツの物理学者であるオズワルドが考案した規格で、1929年に日本でも取り入れられました。現在では、国際標準化機構(ISO)の国際規格になって広く普及しています。

A列の中で最も大きいサイズを「A0(841mm×1,189mm)」とし、それを長辺で半分にしたサイズを「A1(594mm×841mm)」、さらにそれを半分にしたサイズを「A2(420mm×594mm)」というように、数字が1つ大きくなるにつれて紙のサイズは半分になり、A12まであります。
また、A0〜A12は全て縦:横比が 1:1.4141(√2)であり、こうした紙の仕上げ寸法、縦:横の長さの比は、人が見て最も美的調和感覚を得られるされる 長方形の比、いわゆる「黄金比」(1:1.1618)に近い値になっています。

原紙の標準寸法となるA列本判のサイズは625mm×880mmです。

A列本判

3. B列本判

B列は、日本独自の規格です。 江戸時代に徳川将軍家の御用紙(公用紙)として使用されていた「美濃和紙」の判型である美濃判に由来します。江戸時代の御三家の1つである尾張藩が美濃地方で作らせた美濃和紙は、障子紙の版形としても使用されました。明治政府が公文書は江戸時代の美濃紙(B判)サイズを引き継ぎ、戦後も日本工業規格(JIS)が「帳簿類の寸法はB判を原則とする。」と定めていたことなどから定着し、 1980年代までは国の文書の9割がB判でした。

B列の中で最も大きいサイズを「B0(1,030mm×1,456mm)」、それを長辺で半分にしたサイズを「B1(728mm×1,030mm)」、さらにそれを半分にしたサイズを「B2(515mm×728mm)」としておりB12まであります。縦:横比はA判と同じく黄金比に近い、1:1.4141(√2)となっています。

原紙の標準寸法となるB列本判のサイズは765mm×1,085mmです。

B列本判

4. 四六判

明治時代にイギリスから輸入された四六判は、イギリスの紙の規格である「クラウン判」が元になっています。 クラウン判は、日本の標準的な寸法として親しまれ定着していた美濃判の約8倍の大きさに当たるため、大八ツ判といわれて好まれました。この紙を4×8で断裁すると、横4寸2分、縦6寸1分の本になることから、この判型を四六判というようになり、原紙の名称も四六判となりました。
四六判はB列本判よりひとまわり大きいため、B列本判の代わりに使用することもあります。 四六判とB6サイズの書籍は、出版物全体の約30%をも占めています。

原紙の標準寸法となる四六判のサイズは788mm×1,091mmです。

5. 菊判

菊判は新聞用紙に使用する目的で、日本がアメリカから輸入した紙のサイズです。当初は新聞用紙のみに使用するつもりでしたが、後に他の出版物にも使用されるようになりました。

「菊判」という名前の由来は、輸入紙の商標にダリアの花が使用されており、菊の花に似ていたことによるといわれています。さらに、菊は皇室の紋章であることや、「新聞」の文字の中に「聞(きく)」という漢字が入っていたことなども理由とされているようです。

菊判は単行本によく使用されるB6やA5などのサイズより一回り大きいため、書店で目につきやすいという理由から、現在でも書籍などに菊判が利用されることが多々あります。

原紙の標準寸法となる菊判のサイズは636mm×939mmです。

6. ハトロン判

ドイツ語の「パトローネンパピアーが語源と云われています。「パトローネンパピアー」は「弾丸の薬莢を包む紙」という意味です。日本では第二次世界大戦頃まで作られていた「ハトロン紙」と言う名称の包装紙の一種が、3尺×4尺(909×1212)であったため、現在の900×1200のサイズをハトロン判と呼ぶようになりました。

原紙の標準寸法となるハトロン判のサイズは900mm×1200mmです。

ハトロン判

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